油空圧設備の電動化における課題
技術・顧客課題
アクチュエータを含めて電動化を推進したいが、電動モーターではトルクが足りない
ソリューション
油圧と電動を複合したハイブリッド駆動システムを提供
油空圧設備の電動化における課題
従来型の油圧・空圧から、設備系統を電動化するという動きは20年以上前から多くのユーザーで取り組みが進んでいます。油空圧源の設備スペースの問題であったり、環境対応であったりユーザー環境により電動化のポイントは異なるものの、電動化で設備設計・メンテナンスが容易となる恩恵が得られるため定期的に日本ムーグにもご相談いただくテーマです。
一方で電動化検討に際して、最も大きな障害となるのは「トルク不足」です。電動化では油空圧源が不要となるため設備全体はコンパクト化しますが、特に油圧からの置き換えの際は圧倒的にアクチュエータの駆動力が足りなくなります。電動アクチュエータにおいて、油圧式アクチュエータと同じトルクを実現するためには、概ね油圧の10倍近く大きなモーターサイズを必要とします。多くの設計者にとって、機器組込品のパーツが10倍大きくなるという事実は受け入れ難く、「高出力はやっぱり油圧しかないか・・・」と電動化の検討はこの段階で止まることが多いです。しかしながら電動化には多数のメリットも存在し今後世の中から必要とされることは間違いありません。そのため「油圧サーボの日本ムーグ」では電動化のソリューションを開発してきました。
電動、油圧双方の利点を活用したハイブリッド駆動システムを実現
日本ムーグでは油圧と電動を組み合わせ、油圧並みの高出力トルクを実現しながら電動化駆動するアクチュエータを実現しました。これは言わば「電動と油圧の良いとこどり」ができるシステムであり、従来の油圧源、油圧配管を不要としながら電動駆動するハイブリッドアクチュエータです。電動モーター+α程度の省スペース設計であり、内蔵された油圧ポンプモーターによりアクチュエータ単体で駆動します。
日本ムーグで企画・設計・製作を進めた製品で、火力発電所等のタービンの制御弁またはその他駆動部にプロモーション活動を行っています。
油圧駆動の場合油圧配管自体にトラブルがあると油圧システム全体がリスクに曝されますが、電動駆動の場合はリスクを最小限に抑えることができるため、工場・設備のリスク管理の観点からもお問合せ頂いています。
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カスタムのポイント
油圧源(ポンプ、油圧配管)が不要
省スペース設計
油圧並みの大出力ながら、優れたエネルギー効率
油温上昇抑制機能付き
緊急遮断用のばね箱付きサーボ制御